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    新しい感じ方で

      夕べは 眠りを少し深くしようと試みて 安定剤を眠る前に1錠のんだ

      朝はいつも 何かのメロディが流れていることが多いのだが、今日は

      かなり前の男性化粧品のコマーシャルメロディである「マンダム 男

      の世界」が流れていた 少し眠りが深いせいか いつもの肩の凝りが

      あまりひどくない 安定剤には眠る前に服用するとこのような効果も

      あるんだなと思った 早速眠りの浅い患者さんに試してみよう 勿論

      患者さん自身が僕との相談の結果 決めていくことだし 合わなけれ

      ば その患者さんに合うと本人が感じられる薬が見つかるまで一緒に

      探す 自分をいつも人体実験用に活用している 朝の気分が良いとそ

      の日のスタートを気持ちよく切ることができる 薬が合えば薬って本

      当に有難いと思う 薬が無ければ僕の後半の人生は 悲惨だっただろ

      うな 心って本当に不思議だなと思う 薬のしかも弱い1錠でこれだ

      け一日の感じ方が違ってくるんだなあ 僕は今はものすごく勉強した

      い 特に自閉症やアスペルガーの人の治療や同伴の在り方についても

      っと専門家の人達の実践に基づいた知見が欲しい 夜の7時過ぎまで

      診療をやっているので 勉強会に間に合わないことが多い 診療の場

      で多くの発達障害の子供やその御母さん達にお会いするので もっと

      しっかりした勉強がしたい 今の自分では実力が足りない 実践も知

      識も欲しい その二つが融合した時に本当の理解が生まれるのだと思う

      論文を収集して単なる新しい知識のみを貼り合わせたような勉強会に

      は出席したくない あまり役に立たない あくまでも実践に基づいた

      説得力のある知見が必要である 生きた知識と単なる飾りの知識では

      現場に於いて雲泥の差が生まれる 今日はいつもより朝の気分が良い

      本当にありがたいことだと思う ここに来られる人は季節の影響もあ

      って気分が寧ろ下がっている人が多い この季節は人間が生物である

      から仕方無いのでしょうが かなり気持ちが下がる人が去年の実績を

      見ても多いような気がする 人間は自然の中に生かされているんだな

      と感じる 新しい感じ方 新しい関わり方 新しい生き方・・全てこ

      れまでとは異なった新しい力で強い生き方をしたい 楽なこれまでの慣

      性力に流された生き方では新しい地平は切り開けない やはり力を尽

      くして変わろうとしない限りこれまでの楽な慣性力のままに生きて一

      日を終えてしまうだろう もう充分だ 変わりたい もっと生き生き

      した生き方をしたい もっと人との出会いを心から味わい楽しみたい

      今日は僕の魂の旅がたとえ永遠に続こうと唯一無二の時・・・この時

      の掛け替えのなさをもう少し切実に感謝の気持ちで深く味わいたい 

      幸せなんだから 数え上げてみればこれまで与えられてきたこと 与

      えられてきたもの あたえられてきた優しさ 思いやり頂いたその人

      の貴重な時間と想い・・当たり前のこと等なに一つないのに 不平不

      満一杯で日々を過ごしてきたような気がする 支えるものがなけれ

      人生そのものの前提が先ず存在しない 与えられ支えられたものによ

      って今こうして生かされている 生きている と生かされているの違

      いは余りにも大きい さあそろそろ今日の診療 出会いの準備を始め

      よう

    癒しと出会いと

       患者さんとの出会いを通して その人が癒されていけば 表面に

       現われている症状は 殆ど消えてゆく 表に現れた様々な症状

       だけを いくら 追っても解決にはならない 何故ならそれらの

       症状は その人の内面が苦しみの余り表面に出している症状でし

       かないから・・診断名を求めてくる人も多いが 診断の大切さは

       よく分かるが 診断名も その人の表面に現われているものでし

       かない その人の人格が全体として癒されていけば 診断名を与

       えられている様々な症状も消退してゆく 幾ら表面の現れのみを

       扱っても 本当の癒しが起こらなければその人が真に癒されるこ

       とはない 人間と人間の出会いの中から心的エネルギーの交流の

       の中からしか その人が 内的に変化してゆくことはないと思う

       でも一方の治療者の発するエネルギーが低次のものなら 彼と交

       流する患者さんが 本当の意味で癒されていくことはない 治療者

       が到達している次元までしか癒しは起こらない 知的に幾ら磨い

       ても 存在の次元に於いて 理解していなければ相手には伝わら

       ない その意味でも何処までも先ず自分を知り浄化することが必

       要とされる 汚れた心のままで単に知識だけを振り回しても相手

       には 存在の次元での深い深化や変化は起こらない 相手を変え

       ようと思うなら自分をどこまで深く知り自分を通して人間の光と

       闇をどこまで深く理解できるか 深く感じられるかにかかってい

       る 気の遠くなるような 毎日の自分を見つめ続ける修練、そん

       なルーティンな努力の積み重ねによってしか自分も自分と相対す

       る相手も開かれてゆくことはない

    自分の引き受けたもの


       昨日は 疲れていたこともあって 元気が出なかった すぐにイライラする傾向

       もあった 例えば 或る出来事が過去に或る人(A)との間にあって そのことで

       そのAさんをどうしても許せない気持ちが強くなったりする 昨日はまさにそのよ

       うな気分にあった 何もかもが重たく感じた こんな精神状態にある時は 人間

       関係も等身大というよりも どうしてもネガティブなものに感じられてしまう 

       夕べ しっかり眠って心身の疲れが少し回復したためか Aさんに対する敵対心

       が かなり薄くなっている 寧ろ「Aさんと最高の親友になろう」なんて思ったり

       する 昨日の自分、今日の自分、余りの感じ方の違いに愕然とする それと同時

       に 鬱がひどいと 愛情も枯れてゆくのかなあと感じた 鬱状態にいる人は 例え

       ば 会社の上司に対してとてもひどいイメージを持っていることが多い その為

       に 自分がこんなにひどい鬱状態になったのは 上司のせいであると感じている

       でも こんな患者さんが抗鬱剤が効いて気分が上がってくると その上司との件

       を以前程ネガティブには感じなくなることが多い 患者さんの落ち込んだ気持ち

       が 上司をとても悪者のように見せているように思える ということは 心が軽

       くなり明るくなり大きくなれば これまで心に受け入れられなかった人物をも受

       け入れることがたやすくできるようになるということではないか・・心が元気で

       前向きで明るければ 世界はもっと明るい面を見せてくる 自分の心の重さや暗

       さを通して世界や人を見ている時は 等身大の対象を見てはいない 心の鬱状態

       を世界に投影しているから世界が暗く重く見える 今日の僕は昨日に比すれば

       比較的明るいので あれだけ嫌悪していた人物に対してまるで反対の「親友にな

       ろう!」などという気持ちになれるんだな 心は本当に不思議だと思う 心が世

       界を見て 感じている 心が明るくなれば 人間関係も変わってゆく 怒りや憎

       しみ、嫌悪感・・これらの陰性の感情は 自分の心が鬱状態にある時に出やすい

       感じがする 所謂人格障害と言われる人々のイライラもこの鬱状態とかなり関係

       しているのではないか だから 彼らの衝動性を抑える為に 抗精神病薬を使う

       ことも多いが もう一つの方法として抗鬱剤を用いたり 明るい環境の中で彼の

       気持ちを上げてあげれば 攻撃性やその他のネガティブな感情は浄化されていく

       のではないかと思った 鬱感情と攻撃性の関連は 注目するに値すると思う
       

    一人

       休日のクリニック 夕方から診察室の椅子に座っている 今日は

       誰もスタッフはいない 書類を一枚でも書きあげる為に今日は

       ここに来た でも書く気になれない 激しいロックをBGMで

       流しながら 自分の中で何かが変わることを期待しながら で

       も大きな変化は来ない 気分に左右されずにやらなければなら

       ないことを やるしかないことは 頭ではよく分かっている 

       でも仕事をしたくない 毎日僕の前に座る鬱の患者さんが 言

       っている言葉そのままだ 頭と首から下の情動が分裂していて

       当たり前のことができない 明日に回せば今は気分的には楽に

       なる でも明日になれば今日すべきことをしなかったツケが必

       ず回ってくる 目の前の仕事は やらなければ目の前から消え

       ることはない 友人がこのクリニックを開院する時にお祝いに

       くれた目の前にある置き時計 無慈悲にも容赦なく時を刻んで 

       ゆく 激しいロックのリズムと時の静寂の中で僕の意識は麻痺

       したように動かない 「何もしたくない・・」静かな優しい空間

       の中で 幼い子供のようにまどろんでいたい   
                                                           

    患者であることと精神科医であること

        朝目覚めると 身体が辛くてたまらない時がある 昨日までの疲れが

        少しも取れていないことも多い 精神的にも疲労困憊でとても立ちあ

        がれないような重い気分で朝を迎える日も多い それでも布団から立

        ち上がって 顔を洗う 朝のシャワーを浴びて目を覚ます 少し楽に

        なる でもこれだけでは 今日の診療を戦えない まだくたびれていて

        心が重すぎるし暗過ぎる 自分の気持ちを明るくする為に 霊的な

        祈りの書に添いながら 心深くから魂の光を汲み出してこようと努

        力する 静かで深い祈りの時を持つことで もう少し気分が立ちあが

        る でもまだこれでも不十分だ 今日来院する患者さんが持ってくる

        痛みの重さに太刀打ちできない そこで僕はいつも薬の力を借りる

        抗鬱剤や安定剤の類で自分に合ったものを使いさらに気力を上げる

        僕の診療に薬の助力が無ければ恐らく僕は精神科医として機能して

        はいない だから薬に対してそしてこの薬を創ってくれた人々に深

        い感謝の気持ちを抱いている この薬を製造してくれる人達、その

        生産ラインを形成しそのラインを稼働させている人々、更にそれら

        の薬品を販売ラインに乗せて運んでくれる人びとの存在考えてみれ

        ただ一つの薬が僕の力になってくれるまでにどれ程多くの人達の

        力が必要なことか・・さてこれらの薬の力を借りて診療が始まる少

        し前までに 精神的なエネルギーがセットアップされる 来院しそ

        の椅子に座るその人を迎えるだけの心身の準備が整えられる 

        このように私は精神科医であると共に真正の鬱病患者である あま

        りこのようなことを威張って言っても仕方ないが 精神療法のみな

        らず精神科の薬が使い方によってはどれ程苦しんでいる人を助けて

        くれるものであるかをよく分かって欲しい 来院して薬の話になる

        と「依存するから・・」「止められないから・・」などと簡単に

        薬を拒否する人が多い 殆どがネットの情報から薬についてのネガ

        ティブなイメージを心の中にバリケードの如く築いてしまっている

        与えられたイメージが本当に正しいものだと信じて疑わない 現場

        で多くの患者さんを診ている僕から見れば偏った情報を信仰のよう

        に頑なに信じ込まされている 本人は影響されていることにすら気

        づいてはいない 薬は力を発揮するが 精神療法とのコンビネーシ

        ヨンによって更に根本的な癒しの力を発揮できる 強迫性障害など

        は知識を多く仕入れれば仕入れる程悪化する 頭で考えることは

        強迫障害には有害である この場合は薬の方が早いし 境地は後で

        ついていく感じである 少なくとも僕は 薬の御蔭で精神科医をや

        らしてもらっているので 薬には本当に感謝している 薬の副作用

        で本当に辛い思いをした人もいるのでしょうが 思い込みで薬を悪

        者にするのは止めてもらいたい 少なくとも臨床の現場で毎日患者

        さんと向き合っている僕から見える薬の効果も副作用もネットに

        書き込まれた内容とは大きく異なっている 確かに副作用はある

        でも副作用に捉われるあまり その人を癒してゆく本来の効果に

        あまり目が行っていない気がする ネットによる一種の情報操作

        に動かされて意識を汚染されているのに気付かず 自分が吸収し

        た部分的な知識を過剰に信じ込むのは大きな誤りであると思う

        僕が薬のことばかり書くので僕を 薬物療法だけを信奉する精神

        科医のように誤解するかも知れない 僕は精神療法 特に精神分析

        から精神科に入った人間であり 僕の治療のメインは精神療法の

        方にある こんな僕が薬の力を正確に伝えたいと思うのは不思議

        な気もする でも拘らずに人を癒す力のあるものは何でも有効に

        活用すればいいのだと思う

      

       
    プロフィール
    福岡市中央区天神 心療内科 精神科
    心のクリニック新しい風
    http://atarashiikaze.com

    精神科医ギル

    Author:精神科医ギル
    こんにちわ 私は 一人の精神科医です 同時に一人の患者です
    心に浮かぶままに ブログを書いていきます よろしくお願いします

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