
約束の日
何度、この日々を繰り返したら、その時に出会えるのだろう?何度 この哀しみを味わったら、約束の時に立てるんだろう。何千回この時を繰り返せば、その自分に出会えるんだろう。ああ、これまで一体どれだけの後悔と失望をこの魂に刻んできたことか・・
約束の自分、約束の時に憧れながら、これまでの人生を生きてきた。それなりにやってきた積りだった。でも約束の自分に届かない。約束の場所に立てない。これまでの日々が その場所にどうしても届かない。もう残された時が限られていて、残された光の時が限られているのに・・・それなりに一日を始め、それなりに一日を生きてはいるけど、届かない。どうしても目覚められない。
世界に困苦が満ち 愛する人々の涙が この肉の目にもハッキリ見えているのに、夢の中でまどろんでいるいつもの私、これまでと本質的には、何の変化も起こせないままに生きている私・・約束の時に約束の自分として 約束の場所に立ちたい。願えばかなうのに、何故、意識の眠りのままに日々を生きて かけがえの無い時を空費するのか・・・昨日のように診察室に座り、昨日のように白衣を着てはいるが、この世界に、自分の内界になんの変革も起こせないままに、30余年の月日を過ごしてしまった。
約束の時に、約束の自分として約束の場所に立ちたい。それが、僕の願いであったし、そのためにこの世界に生れてきたのだから・・・
まどろみの日々は願いの自分とはかけ離れている。今日も昨日と同じ意識の水準で生きるしかないのか・・・いや、必ず約束の天使は生まれるし、約束の時は満ちてゆく。私は、どんな眠りの中にいようとも 必ず、その約束の場所まで這ってでもたどり着く。もう同じ後悔は 味わいたくない。もう同じ痛みは 味わいたくない。颯爽として天空を駈けていく風のように 約束の時を目指して何度でも目覚めに向かって挑戦する。