
森先生との再会
夕べは、森先生と初めて呑んだ。先生とは、いつも患者さんのこと等で、電話で話しているのでいつも会っているような錯覚に陥っていた。でも実際は、先生と呑むのは、初めてだった。
先生は、僕のホームページにも書いてあるように、僕が思春期で苦しんでいた時に、助けてくれた人だった。先生との出会いが無ければ、僕はどうなっていたんだろう。今こうして精神科医としてここにいることもないだろう。その意味でも先生は、僕の恩人なんだなあと思う。
あの頃は、本当に苦しかった。どうしたらこの苦しみから自由になれるのか 苦悩と絶望に近い不安発作が続く毎日だった。遠い日々でもう思い出すことも難しいが、本当に苦しい日々だった。何人かの人が関わってくれて 僕は徐々に暗い絶望に近い日々から抜け出していった。その後も約3年位は、不安発作に苦しんだ。
先生は、御自分が法学部の学生であったのに、苦しんで、思春期の医者になることを決意した方だった。その意味では僕と共通点がある。昨日の先生との酒は旨かった。今も少し二日酔いの状態だが、とても先生と呑めて嬉しかった。確かにその当時は 思春期の医者になると決めていた筈なのに、忘れていた。不思議なことだが、この数カ月というもの、思春期の患者さんが急増している。
理由はよく分からないけど、元々の願いに立ち返れということなのか・・・先生の跡を継ぐことはできないが、先生の志は継いでゆく積りだ。僕があの苦しみから救っていただいたように、僕も同じように苦しんでいる青少年の力になりたい。あの頃の苦しみを忘れかけているけど、忘れてはいけないことなんだな。あの苦しみが原点だった。