
頑張れない時
どんなに頑張ろうとしても もう頑張れない時がある。「こんなことではいけない」と自分に鞭打っても 疲れた心と身体は動いてはくれない。そんな時、「ゆっくり休みたいなあ・・」と南の島でボーッと寝そべっている自分の姿を想像してみる。
休む訳にはいかないことは、よく分かっているけど、それでも休みたい時がある。クリニックに来院される人は 大抵疲れ果てていることが多い。仕事やら、人間関係やら、生育歴の中で受けた心の傷(トラウマ)に 苦しんで迷いながらここまで来る。その疲れ果てた人を迎える医師が疲れていては、癒しも何もあったものじゃないけど 人間だから仕方がないこともある。グチばかり言うのもかっこ悪いから、少ない時間の中から、絞り出すように、心や体を休める時間を捻出しようとする。
でも近頃、益々忙しくなり、自分の自由な時間など取り難くなった。「ゆっくり行く」のがモットーなのに、僕の気持ちまで回りに影響されたのか、急いでいる。ゆっくり自分を見つめたい。ゆっくり景色を楽しみたい。ゆっくり酒を酌み交わしながら、親しい人と談笑したい。心ゆくまで温かいベッドで 惰眠を貪りたい。
そんなことは我儘だと思いつつも そんな子供のような願望が満ちてくる。僕もただの人間なんだなあ と思う。でも工夫すれば休める時間を捻出できるかも知れない。工夫すれば、諦めなければ、ゆったりとした時間を 多忙な中でも楽しめるかも知れない。