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    ゆっくり生きることへ

     先日書いたブログには、”もう一つの力 ”として頑張ることを書いた。しかし、確かに限界があってもう頑張らない、頑張れない時がある。それ程、心身共に疲れ切っている時は、頑張ることは、寧ろ有害かもしれない。糸島市の宮崎裕美さんの「頑張っている君へ」文芸社刊をを読んで、そのことを強く思った。彼女の文章には、力みがなく、流れるように、頑張らずに、ゆっくり休むことの必要性が 優しい心で綴られている。とても素敵な内容なので、一読を御勧めする。

     僕も休みなく自分なりに頑張っている積りですが、本当に疲れると気迫だけでは、最早頑張れなくなる。ゆっくり生きることの効果は分かってはいたのだが、まだ他に道がありそうな気がして、新しい鬱を超える方法を 自分なりに模索していた。確かに気迫で達成することで、自信を取り戻し、そこから新しい道が拓けていく可能性を 今も信じてはいる。でも宮崎さんが言われるように、「休んでもいいよ」と優しく言われた方が 心には安心感が広がるかも知れない。

     アメリカに留学して帰国された先輩が、記念講演の冒頭で「ゆっくり行く者は、遠くまで行く」と言われたことがあった。今も味わい深い言葉として 僕の心に残っている。僕を含めて今の人はみんな 何処かへ行こうとして急いでいる印象がある。何故急がなければならないのだろう?何処へ何の為に 急いで行こうとしているのだろうか。寧ろ止まって自分の内界を見つめるほうが、本質的な目的地に早く着くような気がする。急いでいる時だからこそ、自らの内界に沈潜する静かな時が 欠かせないのではないか。確かにやらなければならないことに囲まれて 心は疲れ、ざわついている。だからこそ、静かな一人きりの時間の中で 本当に大切なものは何か?を探しつづけなければならないと思う。
    プロフィール
    福岡市中央区天神 心療内科 精神科
    心のクリニック新しい風
    http://atarashiikaze.com

    精神科医ギル

    Author:精神科医ギル
    こんにちわ 私は 一人の精神科医です 同時に一人の患者です
    心に浮かぶままに ブログを書いていきます よろしくお願いします

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