
任侠道
世間では、ヤクザとか暴力団とか言われている人達がいる 暴力団と本当の
任侠道を生きる人は異なる 生きる世界が違っても人を引きつける人間的な
魅力を持った人がいる 多くの人に慕われて愛されている人がいる 関東の
Aさんもその一人だ Aさんは九州出身だが 一本気で筋の通らないことが
大嫌いの人 受けた恩義は決して忘れない Aさんと僕と住む世界というか
業界は異なっているが 僕はAさんの生き方にとても惹かれる 真っすぐで
命を賭けても大切な物や人を護る カタギの人からは 決してかすりを取ら
ない これは Aさんんが敬愛していたI会長の信念でもあった 昔から
I会長には 不思議な魅力を感じていた 侠客としても一人の信念を持った
人間としても何故だか好きだった Aさんと知り合う前からI会長には惹か
れるものがあった Aさんんを通してI会長の新たな一面に触れて益々惹か
れた そして何故訳もなく僕が生前のI会長にあんなにも惹かれたのか少し
その理由が分かったような気がした 一人の人間が生きる世界は如何に異な
っても一人の人間に惹かれるのは 自然だなあとと感じている ドブの中に
いても 心のきれいな人はそのドブに汚されない その内なる美しさを失わ
ない 業界が違い日々出会う人々が違ってもその人が放つ光は誤魔化しよう
がない どんな世界に生きていようと人間として美しい人は美しいし魅力的
な人は どこにいても魅力がある 違う世界で違う夢を追っていても同質の
の匂いを感じてしまう 違う世界に生きていても僕は常に男として故I会長
の生きざまに負けたくないし Aさんの生きざまに負けたくない 僕は精神
科医としての日々を生きている Aさんは任侠の道を生きている 僕には様
様な世界や専門職の友達がいるけど 最後はひとりの人間としてどれだけ魅
力があるかだと思う AさんやI会長に出会えて僕は幸せだと思う 彼らに
負けないように 自分の道で誠実に生きたい