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    認知療法の限界と可能性

       
       父は 少年飛行兵を教える 教官だった 十代の若い少年達を

       教えていたらしい 僕は 自分が苦しい時や 悩む時 彼らの

       ことを考える 彼らの多くは 特別攻撃隊として アメリカの

       軍艦に 突っ込んで去っていった 彼らの出撃前日の気持ちを

       思う時、自分は甘いなあと感じる 許されるなら僕には明日が

       あるし 大切な人達ともまた会える でも彼らには 家族に会

       うことすら時間が許さなかった もう二度と愛する人達に会え

       ない寂しさを どんな気持ちで彼らは 心に抱いて出撃して行

       ったんだろう 僕が いくら自分の置かれている境遇が辛いと

       嘆くとしても 彼らの前では僕の嘆きなんて如何に小さなもの

       であることか 愛する人々に万感の思いを残して去っていった

       彼らの心情を思う時、甘えた自分が恥ずかしくなる 言い訳等

       必要無い なすべきことを淡々と心を尽くしてやりつづければ

       いいだけのこと 何万語を費やして自分の苦しさを書きつけて

       も 全て見え透いた言いわけでしかない やらなければ何も変

       わりはしない 全力を尽くさなければ変わることはできない

       潜在意識と表面意識のギャップが余りにもひどい 表面意識で

       幾らこれまでのだらしのない生き方を変革させようとしても大

       元である潜在意識が変わることに同意しない限り 僕は変われ

       ない これまで何十年にも亘って作り上げてきた習慣力 その

       力を侮ることはできない 表面の意識で、頭の中だけの知識で

       自分を変えようとしても簡単には変わらない その意味では、

       所謂 認知療法も 表面の意識だけ 知識だけで根本的な自己

       変革を起こせると思うのは錯覚でしかない 潜在意識と習慣力

       の持つ巨大な抵抗力(慣性力)を甘く見てはいけない そんな

       に簡単に 首から上の知識だけで一人の人間の感じ方や生き方

       が変わる筈がない 最近強く思うのは 「実践の伴わない単な

       る知識だけでは 認知は根本的な変革を起こせない」ということ

       である 強い習慣力を止めて 新しい習慣力を身につけていくに

       は 現実的な実践しかないし 自分を動かしている習慣力の正体

       をはっきりと見破る必要がある 
    プロフィール
    福岡市中央区天神 心療内科 精神科
    心のクリニック新しい風
    http://atarashiikaze.com

    精神科医ギル

    Author:精神科医ギル
    こんにちわ 私は 一人の精神科医です 同時に一人の患者です
    心に浮かぶままに ブログを書いていきます よろしくお願いします

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