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    亡き父のこと

       夕べ 或る弁護士さんに切れて 感情的なやりとりをした 今朝

       診察室に置いてあった亡き父の写真を見ていて生前の父のことを

       思い出していた 晩年の父は穏やかな人だった 余り感情的に

       ならない人だった 昔、父が僕に語ってくれた父に関する話を思い

       出した 父は青年将校だった 軍刀を腰にした写真があったが

       何処に置いたか分らなくなった とても残念である その父が

       友人の将校に軍刀をいたずらで隠されたことがあった 当時は

       将校にとって腰の軍刀は サムライの刀にも等しい 軍人の

       魂であった その軍刀を冗談とはいえ 隠された父は我を忘れ

       て列火の如く怒った 隠した同僚に対して軍刀を抜いて向かって

       いったらしい 父の気持ちは痛い程分かる 当時の父にとって

       軍刀は 父の魂でもあったのだろう それを冗談で隠したら

       殺されても文句は言えない でもその後 自分の行為を反省

       した父は しばらく寺に籠って自分を見つめ直したそうだ

        戦後の父は穏やかな優しい人だった でも僕と同じよう

       に誇りと激しい気性を持っていたと思う 寺での反省がその

       後の父を穏やかな人に変えたのかも知れない 父の行為を

       フト思い出して 夕べの僕の怒りとプライドを思い出した

       時代や背景は異なっていても よく似たスピリットが

       流れている 「僕は父の子なんだな」としみじみ思う
    プロフィール
    福岡市中央区天神 心療内科 精神科
    心のクリニック新しい風
    http://atarashiikaze.com

    精神科医ギル

    Author:精神科医ギル
    こんにちわ 私は 一人の精神科医です 同時に一人の患者です
    心に浮かぶままに ブログを書いていきます よろしくお願いします

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