
一年の終わりに当たって
今日が今年最後の診察日でした 今年一年心身共にきつい時もあったけど 大きな混乱もなくやってこれたのは スタッフ初め皆さんの御蔭だと思っています ここに心から感謝の意を表します
今年でクリニックも5年目に入りました まだ充実させていかないといけないところが多いです 何よりも一緒に闘ってくれる同志としての看護師さんが欲しい このクリニックの深い願いを共有して共にこの世の苦しみと戦ってくれる魂を探している クリニックが小さいだけにスタッフ一人が持つ影響力は計り知れない 心を一つに 志を一つにできなければ 幾ら看護技術や体験があってもそれでは 目的を果たせない 力みが強いのかも知れない
でもこの厳しい患者さんの抱える闇の深さを思う時 常に疲れた自分を意識的に鼓舞していなければ こちらが潰れてしまう 闇が深く人間の抱える痛みが世代を超えて流れてくるこの戦場で 共に闘ってくれる魂がいなければ 僕一人ではもたないと感じている それだけ今の世界が現わしている人間の内界の闇は深く厳しい 人々がその闇の正体を見破り自由を再び獲得するには相当の覚悟と気が遠くなる程の時間とエネルギーを必要とする
でも表面意識は「もういやだ」と叫んでいても心の深くに在る源なる魂は この戦いを願ってこの世界に生れてきた 人間的に言えば クリニックを開業するよりも 勤務医として働いた方が 収入も多いし責任の大きさが違う クリニックでは 全ての責任を院長である自分が背負わなければならない 学会に出席したくても 僕の代わりに患者さんを診てくれる人はいないし 一日休めばその分の収入を失ってしまう 経済的な調和は不可欠のものであるから これを無視して学会や講演の依頼を引き受けることはできない 患者さんの数が増えてくれることは素直に嬉しいけど 一人に割ける時間が限られてくる そうなると今スタンダードでやっている 一人20分の時間を取れなくなる
開業当初からこの日がくることは予想してはいた でももう待ったなしの状態になってしまった 一つの解決方法は カウンセラーの力を借りて 十分な時間をかけて重い問題を抱えた人々に出会って頂くことである 混合診療がだめなので工夫が必要になるが 来年は必ず クリニックの診療の幅と深さをもう一歩次元の高いものにしてゆく 何処までも内的にもシステムにおいても成長し続ける 新しい風 でありたい