
ひろの寝顔
ヒロは自閉症と知的障害を持って生まれてきた。夕べも僕の隣の布団に寝て、僕より先に眠ってしまった。彼が起きている時はかなりうるさくて同じことばかり言うし、さすがに家内も夏休みが終わるまでは、バテていた。彼が風呂に入り布団に入ると申し訳ないけどホッとする。「やっとゆっくりできる。」などと思ってしまう。
でも彼のあどけない寝顔を見ていると いろんな想いが湧いてくる。何を願ってこんな条件で生まれてきたんだろう?とか今回は、こんな条件の中で何を知りたかったんだろう?とか考えてしまう。このあどけない彼の寝顔の向こうに魂としての永遠の彼を見てしまう。
この魂は今世、この自閉症者として知を閉じて生まれてくることで、大切な何かを知りたかったんだと思う。親として僕らを選んでくれて、この無力な姿のまま私たちの元へ生まれてきてくれた。彼に今世に託した切なる願いがあるのなら、何としてもその彼の願いを果たさせてあげたい。こんな無力で未熟な姿に生まれて、他を信じて生きるしかない状況の中で、彼が果たしたかったこと それが何であるのかまだ僕にもよく分からない。でも彼と共に生きてゆく日々を頂きながら、彼を魂として大切にしてあげたい。それが私を信じて無力な姿のままで生まれてきてくれた 彼の友情に応えることだと思うから・・