
一日の診療を終えて
土曜日の夕方6時までの診療が終わって、診察室の椅子の背もたれに上体をあずけて、先日友人の一人が、置いていってくれたミニコンポから 流れるメロディを聴いている。さすがに、1週間の診療の疲れは否定できないけど、何と表現していいのか分らない感情で、眼をつぶってじっとしている。
このメロディを目を閉じて聴くことで 何かが降りてくるのを待っているのだろうか?明日はクリニックは休み、明後日もクリニックは休み・・・でも僕には休みは無い。明日も明後日も遠い医療機関で仕事。自分で選んだことだし、そうしなければ 今のクリニックが経済的に立ち行かないから仕方のないこと・・・遠い医療機関でまた誰かとの出会いが待っている。与えられる出会いを味わい尽くせたら一番幸せだろうな。
でも 北国の雪に埋もれたひなびた温泉宿にでも 行ってみたい気分だ。何年前だったか忘れたけど、宮沢賢治の故郷に近い温泉に行ったことがある。彼はあの時代に何を想い、何を具現しようと願ったのだろう。賢治が設計したバラ園があった。賢治の資料館もあった。あの寒い北の国で 賢治は何に悩み何に喜びを見出していたんだろう。彼の短い生涯の中にどのような出会いが散りばめられていたんだろう。