
氷の世界
凍りつくような酷寒の世界に一人いる 自分以外のものは全て他人
僕ではない そこに何があろうと それは僕と何の関係もない
一人きりで白い世界に立っている この白く果てしない世界の果て
に何があるのか 今の僕には何の関心もない この世界がどの様に
変わっていこうと 僕には何の関心もない 世界と自分とは元々
無関係だから たとえ隣同志であっても 僕は世界に接してはいな
いし 何の関心もない 関心が無いということは そこには存在
してはいないということ 一番近くても存在としては一番遠いと
いうこと 初めから一人であるしこれからも一人 徹頭徹尾一人
家庭にいようと 僕はそこにはいない クリニックにいようと
僕はそこにはいない 何物とも関わらず 何物にも心を開かず
ただ 世界がそこに僕という存在を定礎したようにただ在り続け
るだけ・・ 世界は存在してはいるが 僕の心からは世界は消え
ている 世界の初めから僕は存在してはいたが 世界の終わりに
も存在してはいるが 僕の本質はそこにはいない